非住宅木造を安く建てるために必要な知識|プレカットと構造の工夫でコストダウン
「木造にするとコストが上がる」といった声をよく聞く一方で、「木造にしてコストを抑えられた」という事例も存在します。
この違いはどこから生まれるのでしょうか?本記事では、その理由を木造の歴史や構造技術の観点から解説します。

プレカットと構造の工夫
木造は住宅向けに最適化されてきた
木造建築は、長年にわたり主に住宅用として発展してきました。
一方、RC造(鉄筋コンクリート)やS造(鉄骨造)は、スパンの大きな建物や高層建築に用いられてきた歴史があります。
国土交通省のデータによると、住宅の約9割が木造です。
このように、木造は「住宅規模」に最適化された構法であり、非住宅用途にそのまま転用すると、コスト面での課題が生じる場合があります。
コストダウンには「構造設計×プレカット」の最適化が鍵
住宅を超える規模の木造建築では、構造設計に加え、プレカットの知識が不可欠です。
ここでは、以下の3つの要素に分けて、木造非住宅でコストを抑える具体策を解説します。
1、プレカットの工夫
住宅用プレカットは安価
住宅用のプレカット加工は、機械化が進んでおり、CADデータをもとに迅速・正確に加工できます。標準的な仕口で構成される建物なら、効率的に低コストで生産可能です。
手加工・特殊加工は高額
一方、加工機で対応できない特殊仕口や大型部材は、職人による手加工が必要になり、コストが跳ね上がります。複雑な形状はプレカットも可能ですが、時間がかかり、費用も数倍になるケースがあります。
2、金物の工夫
市販の住宅用金物はコスト効率が高い
近年は、住宅用でも耐力の高い金物が多数市販されており、非住宅にも活用できるようになっています。これらをうまく使えば、コストと施工性の両面で有利です。
特注金物は高コスト・長納期
特殊な接合部では、製作金物が必要になりますが、これは一品製作となるため高額で、納期も長くなりがちです。構造計算・図面作成などの手間も増え、トータルコストに大きく影響します。
3、木材の工夫
流通材の活用がコストを左右する
一般的に入手しやすい木材(梁成450mm以下・幅120mm以下・長さ6m以下)はコストが安定しています。これらを使って設計することで、材料費を抑えることが可能です。
特注材は最大4倍のコストに
6m以上の長スパンを単純梁で構成する場合、特注材が必要になり、1㎥あたりの価格が2.5〜4倍になることも。さらに搬入や加工の難易度も上がります。

WOODCOREで実現する、非住宅木造のコストダウン
ウッドリンクでは、非住宅木造を安く・効率的に建てるため、トラス構造とプレカット技術を融合した独自の規格システム「WOODCORE」を展開しています。
例えば――
柱頭金物に住宅用の流通製品を使用:特注金物を避け、構造設計と加工性の両立を図ります。
6m超スパンをトラスで対応:長材の特注を避け、コストと納期を抑えます。
これにより、木材・金物・加工コストのすべてを最適化。非住宅でも「木造のコストメリット」を最大限に引き出します。
まとめ
非住宅木造を安く実現するには、住宅用の資材・加工技術をうまく応用することが不可欠です。
ウッドリンクは、構造設計とプレカットの両方に精通したプロとして、お客様のコスト最適化をサポートいたします。
非住宅木造のコストでお悩みの方は、ぜひ一度ウッドリンクにご相談ください。
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