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軟弱地盤こそ中大規模木造!鉄骨造との地盤改良費比較とコストダウン

軟弱地盤こそ中大規模木造鉄骨造との地盤改良費比較コストダウン

 

昨今の建設資材価格の高騰により、中大規模建築のプロジェクトにおいて「コストダウン」は最重要課題となっています。

特に、計画段階で想定以上の出費となりがちなのが、地盤調査後の「地盤改良工事費」です。

鉄骨造(S造)で計画を進めていたものの、軟弱地盤であることが判明し、杭工事や大規模な地盤改良が必要となって予算オーバーに陥るケースは少なくありません。

ウッドリンクは、北陸エリアを中心に数多くの中大規模木造を手掛けてきており、その経験から、「軟弱地盤こそ、木造を選択すべきである」と考えています。

上部構造のコスト比較(鉄骨単価vs木材単価)に目を向けがちですが、実はプロジェクト全体の収支を大きく改善する鍵は地盤と基礎にあります。

建物重量が圧倒的に軽い木造は、地盤にかかる負荷を劇的に軽減し、地盤改良工法のランクダウンや基礎の縮小を可能にします。

本記事では、鉄骨造と木造の地盤改良メリットを徹底比較し、いかにして木造化がコストダウンと工期短縮に貢献するか、具体的なロジックを解説します。

このコラムでわかること

【重量比較】なぜ木造は鉄骨造より地盤改良費が安くなるのか?

建築計画において、構造種別の選定は基礎設計の根本を決定づけます。

 

一般的に、中大規模建築=鉄骨造というイメージが定着していますが、地盤への負荷を考慮した際、その「重さ」は大きなデメリットとなり得ます。

 

鉄やコンクリートの比重に対し、木材の比重は極めて小さいです。

 

この重量差は、そのまま地盤が必要とする地耐力の要求値を下げることに直結します。

 

本セクションでは、物理的な重量差がどのように基礎設計の前提条件を変え、地盤改良費の削減原資を生み出すのか、そのメカニズムを解説します。

建物本体重量の圧倒的な差:鉄骨造vs木造の荷重シミュレーション

同じ延床面積、同じスパン割の建物を計画した場合でも、構造材自体の重量差は歴然です。

 

鉄骨造では、H形鋼やコンクリートスラブの重量が直接基礎にのしかかりますが、木造では構造用集成材や合板を使用するため、大幅な軽量化が図れます。 

 

S造から木造へ変更するだけで、数トン単位の重量削減になることも珍しくありません。

 

特に積雪荷重を考慮する必要がある北陸エリアなどでは、屋根荷重を含めた差がさらに広がります。

 

この「軽さ」こそが、地盤補強のスペックを下げ、コストを圧縮するための最大の根拠となるのです。

接地圧の軽減メカニズムと基礎スラブへの影響

建物重量が軽いということは、基礎底盤から地盤に伝わる圧力(接地圧)が小さくなることを意味します。

 

S造では大きな柱軸力がかかるため、独立基礎のフーチングを大きくしたり、地中梁を太くして剛性を高めたりする必要があります。 

 

一方、木造は荷重が分散されやすく、かつ総重量が軽いため、基礎スラブ厚を薄く設定したり、配筋量を減らしたりすることが可能です。

 

接地圧が許容支持力を下回れば、過剰な支持杭が不要になり、直接基礎での設計が可能になるケースも増えます。

 

基礎のコンクリートボリュームの削減は、地盤改良費だけでなく、基礎工事費そのもののコストダウンにも寄与します。

積載荷重・固定荷重の算出における木造の優位性

構造計算において、固定荷重の精緻な算出はコストに直結します。

 

S造の場合、デッキプレートやコンクリート床の重量が支配的ですが、中大規模木造では床倍率を確保しつつ軽量な剛床仕様を採用できます。 

 

また、内装制限の緩和規定等を活用し、現し(あらわし)仕上げとすることで、天井下地やボード重量を削減できる点も木造のデザイン的なメリット兼軽量化のポイントです。

 

固定荷重が減れば、地震時に建物に作用する水平力も低減されます。

 

これにより、基礎にかかる力も小さくなるため、引き抜き抵抗のための杭長や基礎重量を抑えるという好循環が生まれます。

 

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中大規模木造は基礎のコストダウンが大きなメリット

地盤改良

【コスト比較】地盤改良工法のランクダウンによる劇的なコスト圧縮

地盤改良費のコストダウンにおいて最もインパクトが大きいのは、改良工法そのものの「ランクダウン」です。

 

鉄骨造では重量を支えるために高額な「杭基礎」が必須となる地盤であっても、軽量な木造であれば「地盤改良(柱状改良など)」で済む、あるいは「表層改良」や「直接基礎」で対応可能になるケースが多々あります。 

 

この工法の切り替えは、単なる減額案(VE)の域を超え、プロジェクトの採算性を根本から変えるポテンシャルを持っています。

 

ここでは、工法の違いがどれほどの金額差とメリットを生むのか、具体的な比較視点で掘り下げていきます。

杭基礎から地盤改良、または直接基礎への変更可能性

軟弱地盤においてS造を採用すると、支持層まで杭を打設しなければならず、支持層が深い場合は杭工事だけで数百万円から数千万円規模のコストが発生することがあります。

 

しかし、木造に切り替えることで、必要な地耐力が下がり、支持層まで届かせない「摩擦杭」や、「柱状改良」「表層改良」といった安価な工法が選択肢に入ります。 

 

場合によっては、地盤調査の結果次第で、地盤改良自体が不要な「直接基礎」が可能になることもあります。

 

杭工事が不要になれば、コストは大幅に圧縮できる可能性があり、その差額を内装や設備の充実に充てることが可能です。

柱状改良と表層改良のコスト・工期差によるメリット

木造化によって選択可能となる「柱状改良」や「表層改良」は、鋼管杭などに比べて材料費・施工費ともに安価です。

 

特に表層改良(深度2m程度まで)で対応できる場合、重機も小型で済み、施工スピードも格段に速くなります。 

 

S造では柱状改良の本数や径が大きくなり、施工もより時間と手間がかかります。

 

また、改良残土の発生量も工法によって大きく異なり、処分費を含めたトータルコストで比較すると、簡易な改良工法を採用できる木造の優位性は揺るぎないものとなります。

鉄骨造では回避できない「支持層」への杭打ちリスクと費用

S造の場合、建物の不同沈下を避けるために、確実に堅固な支持層へ荷重を伝達させる必要があります。

 

しかし、敷地によっては支持層が地下20m、30mと深く、あるいは傾斜しているケースがあり、想定外の杭長が必要になって追加費用が発生するリスクが常にあります。 

 

対して木造は、ベタ基礎による「浮き基礎効果」を利用し、荷重を面で支える設計がしやすいため、必ずしも深部の支持層に依存する必要がありません。

 

地耐力で支持可能であれば、深い杭打ちに伴う騒音・振動問題や、地下埋設物との干渉リスク、そして莫大な施工費を回避できる点は、都市部の狭小地や住宅密集地において大きなメリットです。

 

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地盤改良・基礎工事ソリューション

【軟弱地盤対策】「悪い地盤」ほど木造を選択すべき技術的理由

「地盤が悪いから、頑丈な鉄骨造にしなければならない」というのは、よくある誤解です。

 

むしろ、地盤が軟弱であるほど、建物自体の重量を軽くして地盤への負担を減らす木造の優位性が際立ちます。

 

重い建物を無理やり軟弱地盤に建てることは、コスト増大だけでなく、長期的な沈下リスクを抱え込むことにもなりかねません。 

 

特に埋立地や水田跡地などが多い地域では、地盤の長期的な圧密沈下を考慮する必要があります。

 

本セクションでは、構造設計の視点から、なぜ軟弱地盤において木造が技術的に合理的で安全な選択肢となるのかを解説します。

不同沈下リスクの抑制と許容沈下量の考え方

不同沈下(建物が不均一に沈む現象)は、地盤にかかる荷重の大きさと偏りに起因します。

 

S造は重量が大きく、柱位置に荷重が集中するため、地盤の局所的な弱部において沈下が進行しやすい傾向があります。 

 

一方、木造はベタ基礎により荷重を均等に分散させやすく、総重量も軽いため、即時沈下および圧密沈下量を小さく抑えることができます。

 

適切な地盤補強と組み合わせることで、軟弱地盤であっても不同沈下のリスクを最小限にコントロール可能です。

地震力が小さくなることによる基礎ボリュームの縮小

地震時に建物に加わる水平力(地震力)は、建物が重いほど地震の衝撃を大きく受け、軽いほど受け流すことができます。

 

軟弱地盤は地震波を増幅させやすい特性がありますが、木造はその軽さゆえに、入力される地震エネルギーそのものを低減できます。 

 

これにより、基礎に求められる引き抜き抵抗力やせん断抵抗力が小さくなり、基礎の断面寸法や配筋量をスリム化できます。

 

S造では巨大な基礎梁が必要になるような地盤条件でも、木造ならば標準的な基礎仕様で耐震性を確保できるケースが多く、安全性を落とさずにコストを適正化できます。

液状化地域における軽量建築物の安全性と復旧の容易さ

液状化リスクのある地域では、噴砂や地盤の流動化対策が必須です。

 

重量のあるS造(鉄骨造)やRC造が液状化によって傾斜した場合、建物の重量を支えながら水平に戻す工事は大掛かりとなり、その復旧には莫大な費用がかかります。

 

一方、木造も液状化による不同沈下(傾き)の影響は受けますが、建物が軽いため沈下量が相対的に小さく済む傾向があります。

 

万が一被災した際も、ジャッキアップ等の復旧工事がS造に比べて容易で、コストも抑えやすいメリットがあります。

 

また、木造の地盤改良として採用されることの多い「砕石パイル工法」などは、地震時の過剰間隙水圧を逃がす「ドレーン効果」によって、液状化そのものを抑制する効果も期待できます。

 

被災後の修復リスクも含めたリスクマネジメントの観点から、軽量な木造は液状化の懸念がある軟弱地盤に適していると言えます。

 

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地盤改良・基礎工事ソリューション

スクリュープレス工法

【施工・工程】地盤・基礎工事の短縮がもたらす全体工期への恩恵

地盤改良と基礎工事のボリュームダウンは、単に工事費を下げるだけでなく、「工期」という時間的コストの大幅な削減をもたらします。

 

中大規模建築において、基礎工事期間は全体の工程の2〜3割を占めることもあり、これを短縮できることは、建物の早期稼働や仮設費用の削減に直結します。 

 

特に天候不順や地下水位の影響を受けやすい基礎工事は、工程遅延のリスクが高いフェーズです。

 

木造化によって掘削量を減らし、簡易な改良工法を採用することは、現場管理の負担を軽減し、スムーズな上棟へとつなげるための戦略的な選択となります。

残土処分の削減と重機使用料のコストカット

基礎工事費の中で意外と大きなウェイトを占めるのが「残土処分費」です。

 

S造の大きな基礎を作るためには、深く広範囲に掘削する必要があり、排出される土砂の処理費用は高騰傾向にあります。 

 

木造化によりベタ基礎や布基礎の断面を小さくできれば、掘削土量が減り、残土処分費を大幅にカットできます。

 

また、大型の杭打ち機などの重機が不要になり、汎用的な小型重機で施工が可能になります。

 

重機の回送費やリース料、オペレーターの人件費削減に加え、敷地内での重機取り回しが良くなることで、作業効率も向上します。

養生期間と掘削深さの違いによる工期短縮効果

コンクリート工事には養生期間が必須ですが、コンクリートボリュームが大きいS造の基礎は、打設回数が増え、その分工期が長くなります。

 

また、深く掘削する場合、山留め工事や排水計画も大掛かりになります。 

 

木造の基礎は深度が浅く、コンクリート量も少ないため、型枠の設置から打設、脱型までのサイクルが速く回ります。

 

地盤改良期間を含めても、S造に比べて数週間から1ヶ月程度の工期短縮が見込まれるケースも珍しくありません。

 

基礎の完成が早まれば、早期に躯体(建て方)へ移行でき、雨仕舞いまでの期間も短縮できるため、内装工事への着手もスムーズになります。

上部構造(木造)のプレカット加工と現場施工のスピード感

基礎工事が簡素化される一方で、上部構造においても木造は工期短縮のメリットがあります。

 

ウッドリンクのようなプレカット工場では、あらかじめミリ単位の精度で加工された木材が現場に搬入されるため、現場での加工作業はほとんどありません。 

 

S造の溶接作業やボルト締め、コンクリート充填といった手間の掛かる工程に比べ、木造の建て方はスピーディーに進みます。

 

基礎工事で短縮した時間を合わせると、トータルの工期短縮効果はさらに大きくなります。

 

商業施設や福祉施設など、開業日が決まっているプロジェクトにおいて、このスピード感は事業主様にとって大きな利益となります。

 

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非住宅木造システム「WOODCORE」

【提案】中大規模木造で実現するトータルコストダウン

地盤改良費の削減は、木造化によるコストメリットのほんの一部に過ぎません。

 

ウッドリンクが運営する「WOODCORE」では、北陸の気候風土を知り尽くした技術力で、構造躯体から基礎に至るまで、トータルでの最適解をご提案します。 

 

単に「木造に変える」だけでなく、金物工法や構造計算ノウハウを駆使することで、S造同等の大空間を維持しつつ、コストと工期を圧縮するのが私たちのソリューションです。

 

ここでは、具体的にウッドリンクがどのように設計者・施工者様をサポートし、プロジェクトの価値を高めるのかをご紹介します。

ウッドリンクの構造設計による最適な基礎設計の提案

中大規模木造の設計において、ハードルとなるのが構造設計です。

 

ウッドリンクには専門の構造設計チームが在籍しており、許容応力度計算を用いた詳細な構造解析を行っています。 

 

上部構造の荷重を正確に算出し、過剰な安全率を見込むことなく、地盤条件に合わせたギリギリのラインで経済的な基礎設計を提案します。

 

「地盤調査データはあるが、どのような基礎判定になるか不安」という場合でも、私たちが荷重データを基に、地盤改良が必要か、どの工法が最適かのシミュレーションをサポート。

 

設計事務所様や建設会社様のパートナーとして、根拠のあるコストダウン案を作成します。

金物工法による大スパン実現と基礎負担の軽減

S造からの切り替えで懸念されるのが「大空間(スパン)」の確保ですが、金物工法を用いれば、木造でも大スパンや高天井が実現可能です。 

 

また、トラス構造や方杖などを効果的に配置することで、柱の本数を減らし、荷重の伝達をスムーズにします。

 

これにより、基礎のボリュームを減らすことができ、地盤改良費のさらなる削減に繋がります。

 

S造のプランをそのまま木造に置き換えるだけでなく、木造の特性を活かした架構計画を提案することで、意匠性を損なわずに、より合理的で軽量な構造体を実現します。

 

非住宅木造のワンストップ対応とコストシミュレーション

ウッドリンクでは、構造材の供給だけでなく、設計サポート、プレカットまでをワンストップで対応可能です。

 

これにより、中間マージンを省き、責任区分を明確にしたスムーズな現場運営が可能になります。 

 

詳細な図面がなくても、概略プランの段階から「木造にした場合の概算コスト」や「地盤改良リスクの有無」についてのご相談を承っております。

 

まずは比較検討の材料として、弊社のシミュレーションをご活用ください。

 

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非住宅木造システム「WOODCORE」

WOODCORE

まとめ

本記事では、中大規模建築において木造を選択することが、いかに地盤改良費の削減とプロジェクト全体のコストダウンに貢献するかを解説してきました。

 

ポイントは以下の3点です。

 

1.圧倒的な軽さ:木造は鉄骨造より遥かに軽く、地盤への負荷を軽減できる。

2.工法のランクダウン:荷重減により、高額な杭工事から安価な地盤改良や直接基礎へ変更できる可能性が高い。

3.軟弱地盤への適性:不同沈下リスクの低減や液状化復旧の容易さなど、条件が悪い地盤ほど木造のメリットが活きる。

 

特に軟弱地盤が多いエリアでは、上部構造のコスト比較以上に、この「足元のコスト差」が事業収支を左右します。

 

鉄骨造で予算オーバーに悩んでいる、あるいは地盤リスクを懸念している設計者・施工者の皆様、ぜひ一度「木造化」という選択肢を検討してみてください。

 

ウッドリンクでは、お手持ちのプランを基に、木造化した場合の「簡易構造検討」と「概算コストシミュレーション」に対応しますので、お気軽にご相談ください。

ウッドリンクは中大規模木造の頼れるパートナー

ウッドリンク

中大規模木造にご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

 

ウッドリンクを一言で言えば、「木造建築の構造体メーカー」です。

 

ウッドリンクでは阪神大震災を機に構造体の独自開発をスタートし、耐震性と断熱性に優れた高品質軸組パネル「プレウォール工法」を開発しました。

 

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現場加工ではなく、プレカットと呼ばれる工場加工を行うことで、品質の安定した高精度な構造体を提供することができます。

 

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その高い信頼性が支持され、ウッドリンクは構造体メーカーとして北陸No.1シェアの実績があり、倉庫や店舗、高齢者施設などの非住宅の用途にも多くの実績があります。

 

中大規模木造にご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

 

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