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【鉄骨vs木造】基礎コスト比較!建物の軽量化で実現する建築費削減

【鉄骨vs木造】基礎コスト比較建物軽量化で実現する建築費削減

 

建設費の高騰が続く現在、中大規模木造の設計において「コストコントロール」は避けて通れない課題です。

躯体コストや設備コストの比較検討は日常的に行われていますが、構造種別の変更によって大幅にコストが変動するのは、実は足元の「基礎工事」です。

特に、鉄骨造(S造)と木造を比較した場合、そのコスト差は歴然としており、最大の要因は「建物重量」の違いです。

木造はS造に比べて圧倒的に軽量であり、この物理的特性が地盤への負荷を軽減し、高額な杭工事や地盤改良工事を不要、あるいは最小化させるからです。

地盤条件が厳しい敷地ほど、このメリットは顕著になります。

本記事では、基礎コストに特化して鉄骨造と木造を徹底比較します。

「なぜ木造だと安くなるのか」というメカニズムから、地盤改良、コンクリート量、残土処分費といった具体的な削減項目までを詳述します。

さらに、当社の構造計算技術がいかにして「無駄のない基礎設計」を実現するか、そのソリューションもあわせてご紹介します。

このコラムでわかること

【基礎知識】鉄骨造と木造の重量差が「基礎コスト」を決める

基礎コストの違いを理解するための第一歩は、構造体ごとの「重さ」の認識です。

 

基礎は建物の全重量を支え、地盤へ伝える役割を担っています。

 

重量が軽ければ、基礎に求められる耐力も小さくなり、結果としてコストが下がります。

 

非常にシンプルな法則ですが、実務においてはS造と木造の重量差がどれほど大きいか、具体的に意識する機会は少ないかもしれません。

 

ここでは、基礎コストを決定づける「重量」と「荷重」のメカニズムについて解説します。

鉄骨造の約60%!圧倒的な軽量化がもたらす物理的メリット

一般的な事務所ビルや店舗建築において、木造の建物重量(固定荷重+積載荷重)は、鉄骨造(S造)の約60%程度、鉄筋コンクリート造(RC造)と比較すると約20〜30%程度にまで軽量化されます。(※設計・仕様により異なります)

 

木材の比重は鉄の約1/15、コンクリートの約1/5と非常に軽く、屋根や床の構成材も軽量化しやすいためです。

 

この「4割減」という重量差は、基礎設計において絶大なアドバンテージとなります。

 

同じ地盤条件であっても、支えるべき重量が半分近くになれば、基礎の規模や工法選定の前提条件が根本から覆るのです。

基礎設計の要「長期荷重」と「地震力」の大幅な低減

基礎設計には、常時かかる「長期荷重」と、地震時にかかる「地震力」の両面が関わります。

 

木造の軽量化は、この双方を同時に低減させます。

 

特に地震力は建物重量に比例するため、建物が軽いほど地震の影響を受けにくくなります。

 

これにより、地震時に基礎にかかる転倒モーメントや引き抜き力が大幅に抑制され、巨大なフーチングや過度な配筋が不要になります。

 

長期・短期の両面で負荷が減ることが、基礎コストダウンの理論的根拠です。

コストのインパクトは「上屋」より「基礎」にこそ現れる

上部構造(柱・梁)のコスト比較では、昨今の木材価格や耐火被覆コストにより、S造との差が縮まるケースもあります。

 

しかし、基礎工事に関しては、木造の優位性が揺らぐことはほぼありません。

 

特に支持層が深い軟弱地盤においては、上部構造のコスト差以上に、基礎工事費の削減額がプロジェクト全体の収支を改善する決定打となります。

 

実務的な視点では、「上屋は同等でも、基礎で大きく安くなるから木造を選ぶ」という判断が、トータルコストを抑えるための極めて有効な戦略となります。

 

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中大規模木造は基礎のコストダウンが大きなメリット

地盤改良

【コスト比較①】地盤改良・杭工事費の劇的な削減効果

基礎コストの内訳において、最も金額が大きく、かつ削減余地が大きいのが「地盤改良・杭工事費」です。

 

地盤調査の結果が悪くても、建物重量が軽ければ、地盤改良工事分の負担を下げることが可能です。

 

S造では数千万円かかる杭工事が、木造にするだけで数百万円の地盤改良で済む、あるいは補強不要になるケースも珍しくありません。

 

ここでは、地盤補強におけるコストダウンの分岐点と、具体的な削減イメージについて深掘りします。

杭が不要になる分岐点!支持層深度と地盤改良のランクダウン

例えば、地下15mに支持層がある軟弱地盤の場合、重量のあるS造では支持層まで届く既製コンクリート杭や鋼管杭が必須となります。

 

しかし、軽量な木造であれば、杭を打たずに表層の地盤改良(深層混合処理や柱状改良など)による摩擦力で建物を支えることが可能になる場合があります。

 

支持層まで杭を到達させる「支持杭」から、地盤と改良体で支える「摩擦杭・複合地盤」へと設計思想を転換できることが、コストを劇的に下げる最大の要因です。

S造では必須の杭工事が木造なら「直接基礎」で済むケース

地耐力が不足する場合、S造では不同沈下リスクを避けるために柱状改良等が採用されることが多いです。

 

一方、木造では「ベタ基礎」または「布基礎」を採用することで接地圧を分散させ、地盤改良そのものを「なし(直接基礎)」にできる可能性があります。

 

地盤補強費をゼロにし、基礎コンクリート工事のみで完結できれば、そのコストメリットは計り知れません。

杭径・本数の削減による重機費用と施工費の圧縮

仮に木造でも杭が必要な地盤であったとしても、S造と同じスペックの杭は必要ありません。

 

建物重量が軽いため、杭の径を細くしたり、本数を間引いたりすることが可能です。

 

杭本体の材料費が下がるだけでなく、施工に必要な重機も小型化でき、搬入費といった共通仮設費も削減されます。

 

また、施工本数が減れば工期も短縮され、現場管理費の抑制にも寄与します。

 

重装備な杭工事から軽装備な工事へシフトできる点も大きな魅力です。

 

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中大規模木造における構造計算のポイント|地盤・基礎・木工事

基礎コスト

【コスト比較②】コンクリート・鉄筋量の最適化による物量削減

地盤補強費の削減に加え、基礎本体(RC造部分)のコスト削減も重要です。

 

荷重が減るということは、基礎の断面寸法を小さくできることを意味します。

 

これは、コンクリート(㎥)と鉄筋(t)という資材の「物量」そのものを減らすことに直結します。

 

資材価格が高騰している現在、単価交渉よりも物量を減らす設計の方が確実なコストダウンにつながります。

 

ここでは、基礎躯体そのもののスリム化による経済効果について解説します。

基礎断面(梁成・幅)の縮小による生コン・鉄筋コストの抑制

S造では、柱脚に大きな曲げモーメントやせん断力がかかるため、基礎梁(地中梁)を深く大きくし、太い主筋やあばら筋を密に配置する必要があります。

 

一方、木造は柱脚にかかる力が相対的に小さく、基礎梁成(せい)を低く抑えたり、鉄筋径を細くしたりすることが可能です。

 

基礎全体のコンクリートボリュームが2割〜3割減るだけでも、材料費と打設手間賃の合計金額には大きな差が生まれます。

柱脚負担の軽減によるフーチングの小型化と配筋の簡易化

独立基礎(フーチング)の大きさは、柱からの軸力と転倒モーメントで決まります。

 

木造の軽さはこれらの力を小さくするため、フーチングのサイズを大幅に縮小できます。

 

また、S造のような複雑なベースパック等の柱脚金物定着が不要で、木造用のアンカーボルト定着で済むため、配筋の納まりもシンプルになります。

 

過密配筋による施工手間の増大を防ぎ、鉄筋工の人工数を減らせる点も、実務的なコストメリットと言えます。

型枠工事の難易度低下による労務費(手間賃)の削減

基礎の形状が小さくシンプルになることは、型枠工事のコストダウンにも寄与します。

 

S造の大型基礎では、背の高い型枠や複雑な形状の組み立てが必要となり、大工の手間(労務費)がかさみます。

 

木造の基礎、特にベタ基礎形状であれば、型枠は外周や立ち上がりの単純な形状で済むことが多く、施工スピードが上がります。

 

職人不足による労務費高騰が叫ばれる中、施工しやすい形状にすることは重要なコスト管理手法です。

 

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地盤改良・基礎工事ソリューション

残土処分費

【コスト比較③】見落としがちな「残土処分費」と「現場経費」

見積書を作成する際、意外と見落とされがちですが、無視できない金額になるのが「土工事(残土処分)」と「仮設・経費」です。

 

基礎が小さくなるメリットは、資材費だけでなく、土を掘る・運ぶ・捨てるというプロセス全体に波及します。

 

特に都市部の現場では残土処分費が高騰しており、ここを圧縮できるかどうかで最終的な利益率が変わってきます。

 

ここでは、隠れたコストダウン項目に光を当てて解説します。

掘削深さと根切り量の減少が直結する残土処分費の圧縮

基礎梁成が小さくなれば、地面を掘る深さ(根切り深さ)が浅くて済みます。

 

また、フーチングが小さくなれば、掘削範囲(余掘り含む)も狭くなります。

 

これにより、排出される「建設発生土(残土)」の量が大幅に減少します。

 

残土を搬出するダンプの台数が減れば、運搬費と処分費の双方が削減されます。

 

敷地が狭く場内処理ができない現場ほど、外部への処分費削減効果は大きく響きます。

山留め工事の簡略化と土工事全体のスピードアップ

掘削深さが浅くなれば、山留め工事(親杭横矢板等)が簡易なもので済む、あるいは法面オープンカット(法切り)で施工可能になる場合があります。

 

深い掘削には強固な山留め支保工が必要となり、そのリース代や施工費は高額ですが、木造の浅い基礎ならこれを回避できる可能性が高まります。

 

土工事の工程が簡素化されれば、雨天による工程遅延のリスクも減り、工事全体のスピードアップに繋がります。

工期短縮がもたらす仮設費・現場管理費のトータルダウン

基礎工事の期間短縮は、そのまま全体工期の短縮に直結します。

 

木造はS造のようにコンクリートスラブの硬化養生待ちなどが少なく、乾式工法中心のため工程が読みやすいのが特徴です。

 

工期が短くなれば、仮設足場や仮設トイレのリース期間、現場監督の人件費(現場管理費)が削減されます。

 

一つひとつの金額は小さくても、積み重なれば大きなコストダウンになります。

 

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非住宅木造は工期短縮がメリット!木造と鉄骨造の工期比較

【解決策】ウッドリンクの技術で実現する「基礎の最適化」

ここまで木造一般のメリットを解説しましたが、ウッドリンクの真価は、そこからさらに無駄を削ぎ落とす「最適化の技術」にあります。

 

単に木造にするだけでなく、精密な構造計算とプレカット技術を駆使することで、過剰な設計を排し、安全性と経済性を両立させた基礎を実現します。

 

「木造は軽いから安い」という一般論を、確実な「数値」として実証し、プロジェクトに貢献する当社のソリューションをご紹介します。

 

許容応力度計算による精緻な荷重算定で「過剰な設計」を回避

ウッドリンクでは、中大規模木造において「許容応力度計算」を実施します。

 

簡易な計算では安全率を一律に高く設定するため、基礎が必要以上に大きくなりがちです。

 

私たちは部材一本ごとの応力を解析し、荷重の少ない箇所の基礎断面を絞るなど、メリハリのある設計を行います。

 

「なんとなく安全だから大きくしておく」という無駄を排除し、根拠に基づいた最小限の資材量で設計します。

 

北陸の雪を熟知した荷重設定とコストコントロール

北陸地方での建築において、積雪荷重は基礎コストを左右する重要因子です。

 

ウッドリンクは地元の気象データと建築実務を熟知しており、建設地の垂直積雪量や屋根形状、雪下ろしの運用規定などを考慮した、現実的かつ合理的な荷重設定を行います。

 

過大な積雪荷重を見込むことなく、地域係数や低減率を適正に評価することで、雪国においてもコスト競争力のある基礎プランを導き出します。

プレカット連動と現場支援で叶える施工の合理化

基礎のコストダウンは、現場での施工効率も重要です。

 

ウッドリンクはプレカット工場として、上部構造の加工図と連動した正確な「アンカーボルト配置図」を提供します。

 

さらに、構造計算と連携してホールダウン金物の位置を最適化し、基礎配筋との干渉を防ぎます。

 

現場での手戻りや調整作業をゼロにすることは、職人の手間(労務費)を削減し、トータルコストの抑制に大きく寄与します。

 

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構造設計ソリューション

基礎

まとめ

本記事では、中大規模建築における「基礎コスト」に焦点を当て、鉄骨造に対する木造の優位性と、ウッドリンクのソリューションについて解説しました。

 

結論として、基礎コストを削減する鍵は「建物重量の軽量化」と「構造計算による最適化」の2点に集約されます。

 

1.圧倒的な軽量化:S造の約60%という木造の軽さが、地盤改良、杭工事、コンクリート、残土処分費の全てを劇的に圧縮します。

 

2.コストの可視化:地盤改良費だけで数百万円単位の差が出ることもあり、地盤が悪い敷地ほどその効果は最大化されます。

 

3.技術による深化:許容応力度計算を行い、必要な箇所に必要なだけの基礎を設計することで、更なるコストダウンを実現します。

 

資材高騰が続く今、基礎コストの見直しはプロジェクトの収支を改善する最良の手段です。

 

ぜひウッドリンクへご相談ください。

 

計画初期段階からの構造検討と概算サポートで、貴社のプロジェクトを成功へ導きます。

ウッドリンクは中大規模木造の頼れるパートナー

ウッドリンク

中大規模木造にご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

 

ウッドリンクを一言で言えば、「木造建築の構造体メーカー」です。

 

ウッドリンクでは阪神大震災を機に構造体の独自開発をスタートし、耐震性と断熱性に優れた高品質軸組パネル「プレウォール工法」を開発しました。

 

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現場加工ではなく、プレカットと呼ばれる工場加工を行うことで、品質の安定した高精度な構造体を提供することができます。

 

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その高い信頼性が支持され、ウッドリンクは構造体メーカーとして北陸No.1シェアの実績があり、倉庫や店舗、高齢者施設などの非住宅の用途にも多くの実績があります。

 

中大規模木造にご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

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